木こりが答える 安心できる木の選び方
べありんぐがホントの木の話、お伝えします
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ホームセンターや100均の木は、かじっても大丈夫?
安心して口にするのは難しいと思います。
というのも、安く・沢山供給するためには、工業的に木材を”乾燥”させる必要があります。
お日様だけで乾燥させると、樹種や状態にもよりますが、半年~1年かかるからです。
早く乾燥させるためには、高温乾燥が主流となってきますが、高温の場合木材が熱変性を起こして強度が下がり、木の精油分もすべて吐き出してしまいます。
さて、ここからが問題となってきます。
精油分には天然の防虫・防カビ成分が入っているのですが、それが全て吐き出されてしまうので、人工的に薬品を木材に注入します。
こうすることで、品質を保っています。
製材所(木を乾燥させたり、加工したりする場所)によっては、木材の品質を守るために低温乾燥機を導入しているところもあります。
しかし、お店に届いてしまったらどこでどんな風に加工されてきたのかがわからないのです。
国産材を使う=日本の環境破壊にならないの?
なりません。むしろ、どんどん使ってください!
理由は
まず、日本は国土の森林率70%の森林大国です。それが、間伐が進んでいない為に、山が痩せて行ってしまっているのです。
輸入をすると、それだけで輸送船で運ぶために無駄な化石燃料が消費されます。
更に、自伐という小規模林業のスタイルでは、基本的には10年周期で森を守りながら間伐を繰り返して行くため、木を切ることで山の恵み、そして海の恵みも守ることが出来るのです。
針葉樹と広葉樹の違いは?
まず、木材の構成する成分は
セルロース・ヘミセルロース・リグニンの3大成分で95%以上を占めています。
精油分が2~3%。これは色・匂い・耐久性・耐蟻性を示しています。
灰分が0.5%以下
針葉樹の特徴
防虫・殺菌効果などがある精油分(~3.5%)を含んでいる。
95%が仮道管という組織で出来ている。(中に水が詰まったちくわが沢山集まっているイメージ)
柔らかく、繊維が長い。
祖先はシダ植物で、生まれたのは3億年前。
種類が少なく、540種ほど。
広葉樹の特徴
組織構造的に、細胞の種類にばらつきがある。
固い木が多く、繊維が短い。
祖先は草花に近い。生まれたのは1億5千年前。
種類が多く、20万種ある。
接着剤が使われているかの見分け方は?
「集成材」「合板」「CLT」と名の付くものは、木の繊維を縦に揃えたり、強度を持たせるために90度に交差して接着剤でくっつけている為、接着剤が使用されています。
また、釘などを使っていない商品では、接着剤フリーと明記されていない限りは、接着剤でくっつけるしか方法がないため(伝統工法のような技術を使えば、できないことはありませんが、単価が高くなります)、ほぼ間違いなく接着剤を使用していると考えているでしょう。
漂白された木材が売られていることってあるの?
通常の製材だと、乾燥させた後に防腐・防カビ材を注入することがあります。
それで問題なければ漂白をするメリットはないのですが、管理が悪くてそれでもカビが生えてしまった場合に、漂白剤で処理するケースがあるようです。
これも、売り場に届いてしまったら、中々1つ1つ追うことは難しいです。